皆様こんにちは。
絶賛五月病で、仕事以外は何しても憂鬱で楽しくない私です。
SNSにもすっかり飽きてしまって、自分が載せるか自社商品の検索以外はすっかり足が遠のいているインスタグラムですが、先日とても素敵な作品を発見しました。

こちらのB.D Graftというアーティストの絵画です。シンプルかつダイナミック、鮮やかでライトな色合い、どこかマティスの切り絵やジャッキーを思わせるデザインに一瞬で心を奪われました。彼が無邪気かどうかは分かりませんが、一切の悪意を感じない、自分の幼少期を思い出させるような純粋な楽しみを見いだせる彼の作品を見るとなんだか落ち着きます。
下記紹介するTwitterでの彼の扱われ方も、メンタルヘルスウィークの「やさしさ」コーナーの小さな幸せとして紹介されていたり、日本のメディアでも「ハッピーな週末」テーマで取り上げられていたりと、とてもポジティブなイメージが作品を取り巻いているのだなということが分かります。
彼の絵画の紹介と共に少し彼について調べてみようと思います。
彼の絵画の紹介と共に少し彼について調べてみようと思います。

何者なの?
作品たちを見て、作家について知りたくなるのは当然のことです。それが魅力的な作品であればなおさら。
彼のHP、ウィキペディアと数少ない日本のサイト、彼の作品を扱う画廊の情報、世界のニュース記事から、少し情報を探ってみました。
実は彼について調べ始める際、間違えて「B.D craft」と検索していてマインクラフトのことしか出てこなかったんです。「これはネット上に痕跡のない私の発見なのか」とつかの間の優越感を感じた後、スペルを間違えたことに気づきました…。きちんとしたスペルで検索すると1400万件のヒット。やっぱり早とちりはろくなもんじゃないです。

B.D graftとして知られるブライアン・デ・グラフト(1988年9月21日生まれ)はドイツ生まれのアーティスト。オランダ、ガーナの血をひき、アムステルダムの大学でメディアと映画の学士号、英文学と文化の修士号を取得しています。
コリアンヘラルド*によると若い大学生の現実逃避として始まった彼の創作活動。今ではニューヨーク、ソウル、ロッテルダム、パリ、そして日本と、国内外で数多くの展覧会に参加していているようです。
マティスに少し似ているなと思っていたら、本当に彼の切り絵にインスパイアされていたよう!*
粗削りながらアクティブ、迷いのない幸せを提示してくれるようなその色合いにすっかり魅了されています。彼が文学や映画を学び、その後自身の世界観をアートとして表現したということにとても惹かれました。つまり、その文学的素養というか、知識の上に成り立つアートというか。

そして、2019年に本も出版しています。可愛いけど、本としてより、飾る一枚の絵の方が私は好きです。→ Living Things / B.D. Graft – Utrecht (しばらくずっと売り切れです)
始まりは黄色から
写真に黄色いコラージュをしインスタグラムにアップしたことから始まった彼のアーティストとしてのキャリア。(めちゃくちゃ今っぽい)本人曰く、「遅すぎるスタートだった」けれども、インスタグラムでは瞬く間にいいねとフォロワーを獲得しました。インスタのフィード上で目立つ色だったから?と語っています。
面白いと思ったのは「黄色を選んだのは、もちろん目立つという色素的な要素に加えて、(その色の)意味的に中立的だから」と言ったところ。
私は油断すると持ち物が全部黄色になってしまうくらい、自分で思っているよりも黄色が好きなのですがもしかしたら無意識にそういう感情、つまり目立つけど中立的、中性的、のようなものを好んでいたのかなと思いました。
『Add yellow』と銘打たれた展示会を行っていて、主に写真にその特徴的なマスタードイエローを重ねています。彼のHPのこちらから作品を閲覧可能です→ https://bdgraft.com/Add-Yellow
この「コラージュ」という彼の作品には、その性質上著作権はどうなるのか。といういささかの疑問が浮かび、しばしば議論の的になっています。WePewsent( https://wepresent.wetransfer.com/story/brian-de-graft-add-yellow/)はその問題について、ヒップホップにおけるサンプリング、リミックスに代表される、クリエイティビティ・カルチャーを例に出し、飽和状態になったアート業界に問題提起をしています。
これポストカードサイズだったのか。
買おうと思ったならば
彼の作品を扱うフランスのV gallary(https://www.double-v-gallery.com/focus-b-d-graft)かイギリスのDelphian Gallery(https://www.artsy.net/delphian-gallery)へ。
Artsy(https://www.artsy.net/artist/bd-graft-1)ではほとんどの作品が売り切れですが、唯一購入出来る『White on Blue(2020)』は£3,500、だいたい53万円弱でした。価格が上がって手に入らなくなる前に買うべきでしょうか。
彼の作品はもうたくさんありますが、私が特に好きなのはこのおしりシリーズ。
花束だけ、ハチだけのペイントもすごくかわいいんですが、何故かその後ろにおしりが描かれているシリーズがあって。その理由を知りたくて色々調べてみましたが見つかりませんでした。純粋な欲望とかわいらしい興味、みたいなものなのかも。またはカラフルなフレッシュさ?
私が家を持ったら一部屋の壁を明るいマスタード色に塗って、このシリーズを飾りたいな。
この1週間くらい彼の作品について調べて、いろんな記事を読んでいるうちに少し気持ちも明るくなってきました。
5月も残り1週間。あっという間に梅雨ですね。
晴耕雨読ということで、次回は最近読んでいる本について書けたらなあと思います。
引用/参考
1:‘Is it mine if I add some yellow?’ — B. D. Graft makes his mark (koreaherald.com)
2:Online Gallery|B.D. Graft | Lula JAPAN [ルラ ジャパン] (lulamag.jp)