夏のバレエ鑑賞4連発:ロイヤル/ベジャール/パリオペ/バレエアカデミア

Bonjour!7月は色々とチャンスに恵まれて、四つの舞台、うち一つは映画を鑑賞することができました。なんとU25のチケットもあと半年ほどで終わり。(いやはや、月日が経つのも早いものですね)

今年は時間が許す限り、25歳までの贅沢に生の舞台を堪能したいと思います。そして26歳になったら頑張って稼いで、舞台にちゃんと還元できる人間になりたいです。


①英国ロイヤルバレエ団:ロイヤルバレエ・ガラ(7/13)

3月からのKバレエ、東京バレエのロミジュリ、オペラ『魔笛』と全幕ものを観る機会が多く、久々のガラでした。(バレエのガラとは全幕ではなく、様々なダンサーがそれぞれソロやパ・ド・ドゥを披露するもの。)

実はそこまでロイヤル・バレエのファンではなく、日本人ダンサーの活躍をネットで拝見している程度の捉え方だったのですが、想像以上の舞台に思わず我を忘れて大拍手。今回特にメンズチームの迫力がもの凄くてしばし余韻に浸っていました。久しぶりにバレエをみて心拍数が上がり、拍手のし過ぎで手がかゆくなりました。

お気に入りは今回初めて知ったセザール・コラレス様(メンズの方)。舞台から落っこちそうになるほどダイナミックなアリ、「俺の技を見てくれ!」とばかりに披露されるテクニック、キュートな笑顔にもうメロメロです。インスタのタグ付けにもわざわざコメントをくれて、ファン冥利に尽きるというか一ヶ月分の運を使い果たした気がします。

Cesar Corrales(@cesarcorrales926) • Instagram写真と動画

バレエは時間芸術と呼ばれますが、だからこそ実際に舞台を観ることで五感を刺激するのかなとも思ったり。


コロナが治れば海外のバレエ団の来日公演も増えると思うのでこれから楽しみですし、是非またロンドンを訪れて彼の全幕ものを見たいなと思いました。


②東京バレエ団:ベジャール・ガラ The Béjart gala(7/22)

大好きな水香さまの踊るベジャールを、U25チケットのとても良い席で鑑賞。ロイヤルはかなり観にくい2階席でしたが、今回はS席の一階です。


初めて見たバクティは未だに忘れられない美の境地。「唯一日本でボレロを踊れる女性」である彼女だからこそ出来る、生々しい肉体美を持ちながら、観客を別の世界に誘うようなどこか俗世を超越させる圧倒的な美しさに飲み込まれました。

どっかでみたなあと思ったら小さい頃バレエ教室で見ていたギエムのポスターでした。水香さんを追っていくと必ずギエムにたどり着くので面白いです。

これを日本で観られる幸せさ。インド旅行5回分くらいの大満足でした。


③パリ・オペラ座:【映画】新章パリオペラ座(8/11)

お盆休みには母と映画のイベントを訪れました。

一般公開の一足お先にフィガロの企画で観賞。なんと本物の水香さまのトークショー付きという、ほんとはこっちが主役では?レベルの豪華イベントでした。ベジャールに続き、最近は水香さんづいているようで幸せです。

映画はどちらかというとメンズメンバー、特にユーゴ中心のストーリー展開で、思ったよりも短かったです。ただ、その中でコロナ禍でのダンサーたちの焦りと葛藤、舞台上で拍手喝采を浴びることへの渇望をひしひしと感じました。鍛え挙げられた体を久しぶりにウォームアップしながら動かしていくときのダンサーたちの表情をみて、本当に「選ばれた」人たちなんだとつくづく。

ユーゴ「1日休めば自分が気づく、2日休めば仲間が気づく…」
水香さま「フランス人結構バカンス行ってますけどね」
トークがいちいち面白く、バレエファン冥利につきる一日でした。

そして念願の水香さま。あまりの美しさに登場時会場からため息が出るほど。 顔の小ささ!姿勢の美しさ!日本人離れしているというより、人種を超越した女神でした。 東京バレエ団の定年は44歳。彼女はちょうど44歳です。今年になって頻繁に観ることが出来ることになったのは皮肉ですが、東京バレエで活躍している時期に間に合って本当に良かった!

「ガルニエ宮でボレロを踊るのが夢です。」と今回語っていらっしゃったのですが、彼女が活躍してるうちに観れるだけ舞台を楽しみたいです。素晴らしいダンサーと今同じ国にいて本当に幸せです。


④国際バレエアカデミア公演:ジゼル、モンゴル賛歌(8/24)

地元のバレエ教室の先輩が出ると伺い、半休を取って訪れました。国際バレエアカデミアとは旧・東京小牧バレエ団のことで戦後の日本バレエ発足の第一人者です。ハルビンのバレエ学校の卒業、上海バレエ・リュスの招聘、戦後「白鳥の湖」全幕日本初演において演出・振付を担当するなど、日本におけるバレエの歴史を少しかじったものなら分かる超ド級のスターでございます。

彼の名を掲げたこのバレエ団はバレエ・リュスを谷桃子(谷桃子バレエ団創設者)を筆頭に、太刀川瑠璃子(スターダンサーズ・バレエ団創設者)、小松原庸子(小松原庸子スペイン舞踊団代表)ほか、数多くの日本の舞踊界を代表する舞踊家・指導者を輩出しています*1。

これ名前変えない方がいいんじゃないのというのは置いておき、今回は客席の空席が目立つ少し寂しい舞台でした。

ただ、「ジゼル」アルブレヒト役のulziijargal munhjin(ムンへジン ウルジージャルガル)氏の素晴らしさときたら!モンゴル国立バレエからの招聘ダンサーの一人ですが、西洋人顔負けの手足の長さ、スタイルの良さ、抜群のテクニック、是非全幕で見てみたいなと思ったダンサーでした。彼については日本語、英語共にほぼ情報がなく、本年6月の第14回モスクワ国際バレエコンクールで結果を出したということのみしか分かりません。

幕間の馬頭琴の演奏も印象的で、「スーホの白い馬」を思い出してなんだかわくわくしました。従兄弟がモンゴル旅行中なのと、友達のモンゴル人があらゆるSNSで写真をアップし続けるので最近なんだかモンゴルづいているような気がします。

実はパリ留学中にたまたま訪れたバレエストアでチケットを貰ったカザフスタンのアスタナバレエを観たことがあります。西洋で生まれ育ったバレエに、母国の伝統的な文化のエッセンスを加えていく、というのはクルミや白鳥の色んな国のシーンを観ているような気持ちになって楽しいです。今みたいのは韓国のユニバーサルバレエ、エジプトのカイロバレエです。コロナが終わったら訪れられるかなと勝手にわくわくしています。


バレエを習い始めてかれこれ20数年。今でこそ楽しんでいる舞台鑑賞ですが、学生時代は自分自身への劣等感と悔しさであまり積極的に触れられず、むしろ少し距離を置いていました。

ただ無意識にSNSで最新作やダンサーをチェックしていたり、音楽を聴いてストレッチしている自分もいて、ふと自分のアイデンティティとは何かを考えた時に、根源にあるものがやっぱりバレエなのではないのかなとふと思うようになりました。

数年前からバレエ関係の事業を始めたいと思って色々模索している中で、この一年は本当に特質した機会に恵まれることが多く、純粋にバレエが好きだと感じます。この夏の舞台鑑賞然り、アーキタンツでの菅井円加さんのレッスンや地元のバレエ教室の久しぶりのレッスンなど、自分が出来ることを理解したからこそやっと本当に楽しめるようになったのかなと。

大好きな水香さんはあの映画イベントの後に下記のようにブログでコメントを残していらっしゃいました。

上野水香 公式ブログ Powered by LINE (lineblog.me)

素晴らしいダンサー、バレエという芸術の鑑賞者である我々に出来ることは多分本当に舞台を楽しむことで、だからこそもっとその気持ちを舞台を訪れて鑑賞するという行為で還元して行くべきなのだと思います。

「夏は人を成長される」とは使い古された言葉ですが、私もまた夏に成長させてもらったようです。秋はいくつかまた楽しい舞台の予約をしているので、「芸術の秋」を楽しみたいです。

ではまた、Au revoir!


参考

*1:沿革 – 国際バレエアカデミア バレエ団《公式ホームページ》 (academia-ballet.jp)


art art gallery nova アート アートギャラリー イラスト オペラ カフェ デザイン デザイン画 バレエ バンタン バンタンアカデミー バンタンキャリアアカデミー パターン パリ ファッション フランス フランス語 今日のフランス語 仏語 勉強 国内旅行 学校 家族 専門学校 専門学校日記 新国立劇場 旅行 服飾 服飾学校 服飾専門学校 東京 東京バレエ団 演劇バレエ 留学 美術 美術館 裁縫 語学 読書 読書メーター 銀座 駅前留学

2025年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

2 Comments

コメントを残す