9月の読書まとめ

Bonjour!読書記録用として使用している読書メーターにブログ機能を見つけたので早速そのまま共有します。(日にちをあけて、それぞれの本毎に感想を記入しているので文体が異なります…ですます調とだ・である調が混ざる文章が大変嫌いなので見ている自分が嫌ですが、まあしょうがない。今後は全てですます調に統一しようと思います。)

9月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:3771
ナイス数:11

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巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)感想

昭和38年(1963年)出版、約60年前の名著『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』。なんて素敵な題名!戦後の、パリでシャンソンを歌う日本人女性の作者による、料理を巡る散文たち。

お金に不自由しない人特有の優雅さと、当時きっと進歩的だったんだろうなと感じる粋で軽やかな文体。のんびりとバターたっぷりのクロワッサン片手に読めたら、きっと幸せだろうなあと思います。
読了日:09月29日 著者:石井 好子



岩波文庫的 月の満ち欠け岩波文庫的 月の満ち欠け感想

不倫した女が何度も生まれ変わり、その相手を探すというトンデモストーリー。

『豊饒の海』を読み終えた、と祖父に言ったら同じ生まれ変わりのストーリーとのことでこれを貸してくれたのですが、主人公女性のあまりの自分勝手さと軽さに興ざめでした。(三島のあの重みのある文章の前ではどんな本でもそうなるかとは思いますが…)
文章、設定、全てが全体的に雑で乱雑。なぜこれが文学賞なのか正直よく分かりません。

読了日:09月28日 著者:佐藤 正午



場所はいつも旅先だった (集英社文庫)場所はいつも旅先だった (集英社文庫)感想

代官山を散歩中に見つけた本。
思いがけず背中を押して貰えて、なんだか爽やかに明日も頑張ろうと思えた。

とくに全て読み終えたあとの「文庫版あとがき」。人々の出会いの儚さと出鱈目な面白さに久しぶりに心が震えるような気持ちです。
読了日:09月27日 著者:松浦 弥太郎



豊饒の海 第四巻 天人五衰 (てんにんごすい) (新潮文庫)豊饒の海 第四巻 天人五衰 (てんにんごすい) (新潮文庫)感想

三島が自殺前に書いた、最後の作品。
この本を書き終えてそのまま自衛隊駐屯地に行ったというので、読んでるこちらも自然と力が入りました。
あまりに驚く結末、私もこの感想を書くまでに数週間寝かせたほど。「輪廻転生」こそがこの本のテーマかと思いきや、仏教的思想の「唯識論」がこの本の大きな命題。ここまでそれを思い知らせる本はあるのかな…
世界で一番愛する作家、彼の『豊饒の海』を経てようやく夏を終わらせられます。
読了日:09月27日 著者:三島 由紀夫



トウシューズのすべて: 歴史から、作り方、選び方、履き方、踊り方、鍛え方まで「ポワント」を徹底分析!トウシューズのすべて: 歴史から、作り方、選び方、履き方、踊り方、鍛え方まで「ポワント」を徹底分析!感想

オタク感涙の圧倒的な情報量。トウシューズ(ポワント)の数百のリストは勿論のこと、そのもの自体の歴史、作られ方、ケアの仕方、アレンジのやり方、現役ダンサーや職人へのインタビュー等、あまりに参考になることが多く、感動しました。バレエ教室に一冊、バレエを習う家庭に一冊、小中学校の図書館にも一冊、是非置いてほしいですね。
読了日:09月20日 著者:富永 明子



ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいことニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと感想

仕事用に友人の薦めで購入。本作の半分は自分のブランド構想の為のワークとして使用し、大変参考になりました。シンプルにアイディアを削ぎ落として作り直して行く感じ、めちゃくちゃ頭と時間を使って考えるなと何度も何度も考え直しています。全体的にニューヨークからみた世界規模の事業の動き方、それに対する日本企業への杞憂みたいなものがとても分かりやすく興味深かったです。
読了日:09月20日 著者:小山田 育,渡邊 デルーカ 瞳



オーガニックー有機農法、自然食ビジネス、認証制度から産直市場までオーガニックー有機農法、自然食ビジネス、認証制度から産直市場まで感想


過去70年のアメリカにおける社会運動としてのオーガニックの遍歴。
仕事柄必要だから読んだものの、人に理解させるという目的ではない書かれ方なのか、非常に分かりにくく、もう少しなんとかならなかったのかなというところ。

正直なところ、私は現在の飽食の時代におけるー方的な農薬悪玉論には反対。
慢性的な飢餓状態から、生産技術の改良、農薬・化学肥料・品種改良によって増産体制の確保、現在ようやく飽食の時代を経て健康志向になった流れを考えてみると、短絡的なオーガニック至上主義に少し疑問を抱いていました。
読了日:09月20日 著者:ロビン・オサリバン



ベルリンは晴れているか (ちくま文庫)ベルリンは晴れているか (ちくま文庫)感想

一気読みでした。

終戦後のドイツ・ベルリン。そこに至るまでの少女と街の壮絶な数年間の軌跡。
「晴れていなければよかった」という言葉は主人公の言葉でもあり、「それに耐えられない」と言ったナチスのゲッペルスの言葉でもある。

一応ミステリー小説だけど、戦争という大きなベクトルの中では個人の犯罪はどうしても相対的に軽んじられるんだなと結果を読んで思ってしまった。

ひたすら、淡々と、悲しい。
読了日:09月18日 著者:深緑 野分



こゝろ (角川文庫)こゝろ (角川文庫)感想

「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」

淡々として美しい文章。過去と後悔、自我と自己否定。夏の終わりに相応わしい不朽の名作。

行動に対して、その結果に対する罪の意識とどう折り合いをつけて人生を乗り越えていくのか?
『悲しみよ、こんにちは』が同じテーマに対する陽だとしたらこれは陰。
果たして罪を忘れられるほど、自分は鈍感でいられるのだろうかと、わたしも同じ結果を選んでしまうのではないかと考えてしまった。
読了日:09月16日 著者:夏目 漱石



豊饒の海 第三巻 暁の寺 (あかつきのてら) (新潮文庫)豊饒の海 第三巻 暁の寺 (あかつきのてら) (新潮文庫)感想

三島の「美」にたいする執念というか息が詰まる程の執着、それを飾り立てる文体が堪らなく好きなのですが、今回はそれが加齢によって崩される様の哀れ、老残と老いに対する嫌悪感がありありと手に取れ、恐怖を感じました。
同『禁色』然り、老いと自意識の出会いは必然でありつつもその妥協を否が応でも迫らせる時限爆弾のようなものだなと思いますけど、かといって何も出来るわけではなく、自ら苦痛を読んでいるだなんて自分も損な人間だなと思うわけです。まさに「飛んで火に入る夏の虫」とやらで私は彼の前では火に入る虫にすぎません。

読了日:09月13日 著者:三島 由紀夫



リプトン自伝リプトン自伝感想

自伝マニアとしては感涙ものの、あの紅茶のリプトン創設者の自伝。
今まで読んだどんな本よりも一貫して明るく、苦労を苦労と全く感じてなさそうな様子に一代でとんでもない財を成した人の底力を感じた。
本書内で何度も言及されているように、販売力・宣伝力に長けた人物で、広告マーケティングの先駆け。今見ても新鮮な宣伝方法に、当時どれだけ目立っていたのか目に浮かぶよう。

読了日:09月05日 著者:トーマス・リプトン

読書メーター


すっかり肌寒くなって、秋を通り越して冬のような気持ちです。最近ようやく図書館に行けましたので、またまた読みたい本が増えました。なんだか大変な毎日、嫌なニュースに心が本当に痛みますが、たまには現実から目を背けて、読書に浸るのも、そう悪くはないのでしょうか。

ではまた、Au revoir!


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