「部屋の隅に出来る暗闇こそが、美しさ」であると述べた谷崎潤一郎。この本、陰翳礼讃こそ京都で読みたいと常々思っていたのですが、今回はその機会に恵まれました。

高校時代からの友人と大阪経由で週末に京都に行ってきました。
この旅のほとんどすべての工程を組んでくれ、私は受け身でついていくだけだったのですが(通常の旅行スタイルとは逆ですね)、それがまたどこに行くか分からないので新鮮なことの連続でした!色々調べてもらって本当に有り難いです。私はというとただしゃべっているか寝ているかだったので次回以降旅行に誘っても断られるんじゃないかと少々心配ではあります。
ブログを書くにあたり、今回の京都旅行を思い出してみて、いくつかのテーマに分けてみようと思いました。
訪れた場所も買ったものも感じたことも多岐にわたるものの、やはり「食・美・スピリチュアル」かなと。同じ国でありながら、こちらとわりと異なる文化を擁する京都は、どこか懐かしく、美しくて何度でも訪れたい街です。
珈琲何杯飲んだかしらん?お食事編
まずは「食」編から。訪れる前から京都にはおしゃれなカフェが沢山あるらしいとの情報を至るところで見ていたので一番楽しみな部分でした。
案の定、おしゃれでかわいい店内、美味しいコーヒーを思う存分楽しむことが出来ました。以前私が学生だった頃は「映え」を狙うことを軽視するような風潮があったのですが、最近はSNSで美しく見えることはカフェ業界におけるメインの課題の一つになってきたように感じます。
勿論私は学生時代からずっとおしゃれでかわいいカフェが大好きです。時代が追いついて来て嬉しい限りです。
「美しさ」とは何か
『陰翳礼讃』片手に眠りながら京都を移動、というなかなか渋い旅行をしていたのですが、新しいレストランやカフェ、烏丸御池駅付近などは伝統とモダンのミックスといった開発ぶりで見ていて楽しいものがありました。
このようなものをJapandi スタイルと呼びます。このJapondi(ジャポンデイ)は、SNS上では勿論、インテリア雑誌でもしばしば取り上げて語られるアメリカのトレンドのインテリアのことです。
JAPANDI=Japanese(日本風)+Scandinavian(スカンジナビアン:北欧風)
「日本とスカンジナビアの美学のハイブリッド」と言われ、ミニマルで、機能的で、暖かくて落ち着きがあり、侘び寂びの意識、未完成の美が感じられます。
2017年に広まったといわれる「Japandi」が、近年またトレンドに上がっている理由として、アメリカの若者を中心とした「Sustainable Lifestyle」(サステナブルな暮らし)の人気が一番に挙げられるのだとか。
「Sustainable Lifestyle」とは、環境に配慮した暮らしのことを意味します。近年では、このライフスタイルの一環として、長く使える高品質なものを取り入れるひとが増えています。そのため、「Japandi」特有の丈夫な木工家具を中心とした、ミニマルなホームデザインがうけているのです。
とはいえ、京都ならではの古くからの建物もとても素敵でした。
道中に同時進行で三島由紀夫の『女神』を読んでいたのですが、「女は美しくなければ一文の値打もない」と言い切る主人公を前に、改めて価値のある美しさとは何なのか?と考えました。面白いことにこの小説は『陰翳礼讃』と真逆の思考で「年数が経った(年をとった)人間は美しさがなくなる」というもの。
真逆の思考で混乱しそうではありますが、美とは人の感情に極端な感情を起こさせるものではないかと考えました。つまり一定の価値観として重きをおくにしろ、反対に穏やかさを求めるにしろ、ポジティブ・ネガティブ何かしら平坦な心境ではいられないものではないかと。私にとっての京都も同様で、住み慣れた東京とは違うからこそ驚きつつ関心を持ち、美しさを感じるのではないかと思います。
さて三島に戻りますと、特に美術や文学では作者の追求する「理想」を見せられがちではないかと思います。今回も例に漏れず「完璧こそが「美」だ」と終始一貫清々しいほど理想を提示されます。私は完璧さと狂気は表裏一体だと思うのです。彼の描く「美人」とはつまり、美と狂気、儚さの化身ではないでしょうか。そしてその「美」を美たらしめんとしているのは日本文学随一とも言える、彼の表現の言葉選びに他ならないと思います。
オタクはつらいよ、スピリチュアル巡り
同行の友人に「ちょっと行きたい神社あるから歩くけどいい?」と聞かれ、歩いてみること40分。7センチヒールでふらふらになりながら辿り着いたのは「車折神社(くるまざきじんじゃ)」。なんでも彼女の好きなアイドルの名前があるとか何とかで、聞いた瞬間力が抜けました。さすがオタクです。私も同じ(Kpop)オタクではありますが、どちらかというとものぐさなタイプのオタクですので、ここまでの根性はございません。
とはいうもののこの神社、金運・良縁・厄除け・商売繁盛・恋愛成就も叶えてくれるオールマイティーさですので、お賽銭をふんだんに使い、拝み倒して参りました。
次に訪れたのも、同行の友人に連れられて行った神社。これまた駅から少し歩き、完全な住宅街にぽつんと佇む星のマークが特徴的な神社。陰陽師の「晴明神社」です。

羽生選手がここを訪れ、金メダルを獲ったことからご利益について更に注目が集まるようになったとか。そうでした、彼女は羽生選手も好きでした…
晴明神社のご利益は、魔除け、厄除け、方位除けに効くとのことです。面白いなと思ったのは、物質的な厄除けは勿論なんですけど、「自分の怠け心」とかそういう悪いものを取り除くという意味でもあると解説している人がいたことです。私は本当に怠け者なので、そういう意味ではとても効果を期待したいところではあります。
上記2つのおかげか、自分の精神のおかげかは分からないのですが、確かに帰京してから妙な縁切りがいくつか続いて、結果的によかったものの少しゾッとしています。

ちょうど京都を訪れた週末は全国で暖かく、旅行日和でした。
反対に帰ってきてからの東京は極寒で、案の定体調を崩し、同時に精神的にも少しキツくて不安定な12月中旬となりました。ただデトックスや肌の治療薬の好転反応のように、一度悪くなってから物事が良くなっていく、みたいなことってよくあることだと思うんです。そう思うと、これからどんどん物事は良くなっていくのではないかなと少し期待しています。

道中のレストランでは私の誕生日プレートを用意してくれていたりと、素晴らしい旅行に同行してくれた友人に感謝です。
ではまた!
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