アートなのか、デザインなのか:punk me tender

この蝶にこのカラー!

エネルギー溢れる蝶々がカラフルな背景に映えてかわいいこの作品たちをご覧ください。

この作者は punk me tender

私が初めて彼を作品を見たのはインスタグラムでした。

https://instagram.com/punkmetender?igshid=q08ro45xize

おすすめ欄に突然蝶々が出てきて、それからすっかりファンに。どうやらカイリージェンナーやその姉クロエの今お気に入りのアーティストらしく、ロスで引っ張りだこの様子。

https://www.instagram.com/p/B71f7tBHDCY/?igshid=1ou78asw6cb3b

意外にも英語以外の言語の紹介がネット上にあまり無い(日本語では全くヒットしなかった)ので、少し調べて紹介していこうと思います。

そもそもPunk me tenderは何者なのか

おそらく、彼の名前はSTEPHEN WILSON(ステファン・ウィルソン)。グラフィティの性質上、非公開にしていたとのことですが流石に今日に至っては公開されています。

年齢は1982年生まれの38歳。

アメリカ人かと思いきや、フランス出身みたい。

初の個展は2018年9月にロスで行われています。

自己紹介:Punk me tenderはロサンゼルスのアーティストです。ベラベラベラベラ(https://punkmetender.com/contact )

彼の作品は現代アート、ポップアート、ストリートアート、グラフィティ、アイコン、伝統的なキルティングや手工芸品の影響を受けているそう。(He is influenced by contemporary art, pop art, street art, graffiti and iconography, as well as traditional quilting and handicrafts.)*1

また、有名ブランドのファッションにも強く影響を受けていて、例えばエルメスのシルクだとか、シャネルのウールのような高級テキスタイル(Stephen utilizes luxury textiles from a myriad of famed design houses, including Hermès silks and Chanel wools,)を素材に使用している。*2

彼のお抱えディーラーであるArt angels(https://instagram.com/art_angels )の最新ポストでも、アクリルとダイヤモンドダストという表記が出ているので、おそらく本当に高級素材を使用しているのでしょう。

目的はもちろん、贅沢な消費主義に関する質問を呼び起こすこと。

SDGs然り、消費主義への警笛や反発というのは最近最早当たり前のテーマになりつつありますよね。

私は高級素材をそこに使うのはどうなの…と思ってしまったんですが、よくよく考えると長く持たせる=長く飾るもの、ならいい素材の方が長持ちするかもなと妙に納得致しました。

でも批判する資本主義の権化みたいなカーダシアンファミリーのお気に入りだというのもなんかとんでもなく皮肉ですね。

彼の作品と蝶々

今の彼のアイコン、モチーフはもちろん蝶々

遡る限りこのスタイルが確立されたのは2019年あたりから。

残っている2015年の記事には今とはかなり違う作風の作品の写真が残っていて、月曜日の夜遅く明かりが消えた時にささっと描くといったような(I installed this piece on a late Monday night while lights are shut and the moon is out.)いわゆるグラフィティーアーティストとしての性質がかなり強かった模様。*3

2016年から投稿されている彼のインスタも今とは打って変わって、ストリートテイストがかなり強い。

http://instagram.com/punkmetender

でもこの時から蝶はところどころに散りばめられているので、やっぱり彼を語る時に切っても切り離せない関係であり、象徴だと言えるでしょう。本人は

「私が使用するテクニックはそれ自体が変化です。私は白い蝶の上に色を置き、それらが変化していくのを観察します」「蝶が生まれるのと同じように、そしてそれが蛹からどのように変化していくか。私の仕事全体はそれに基づいています。」

The technique I use is itself a transformation: I lay down colors over white butterflies, and watch them transform,” the artist says. “The same way a butterfly is born, and how it transforms itself from a chrysalis—my whole body of work is based on that.)*4

と語っており、その変容性と美しさ、そして「自由さ」に自分の表現を重ね合わせているのだと考えられます。

本来は美の象徴、変化、成長、復活を表していると言われ、タトゥーでも積極的に取り入れられています。


私の中でバタフライタトゥーといえばヴァネッサ・ハジェンス。かわいい (https://instagram.com/vanessahudgens )

そういえば、最近流行った韓国ドラマ「サイコでも大丈夫」でも蝶は話を展開する上で欠かせない重要なキーワードでした。

蝶を意味する古代ギリシャ語がpsykhē(プシュケー)、それが転じてpsycho(サイコ)という言葉になったんだとか。

サナギから蝶が生まれ、体から魂が抜け出す」という点からプシュケーが蝶に例えられる=変化を表しているとも考えられますね。*5

カイリージェンナーの娘ストーミの誕生日xカイリーコスメティックのローンチイベントでの、ライラックの蝶々の装飾は彼女カイリーらしい世界観と相まってとても素敵でした。

彼自身の子供にインスピレーションを受けて作られたStephen’s Shine a Light When It’s Grey Outという作品もあります。https://www.artsy.net/show/new-gallery-of-modern-art-shine-a-light-when-its-gray-out?sort=partner_show_position

希望と愛をテーマに作られたこの作品たちは「暗闇の中での光であり、忍耐力の象徴であること」を意味します。 

「私たち自身のために、私たちの子供のために、そして全ての子供たちのために」

for ourselves, for our children, for all children.

と、この作品についてコメントを残しています。

取り扱いギャラリー

彼のアートの展示/販売をしている場所は前述したロサンゼルスのArt angels だけでなくマイアミ、パリ、フロリダ、ジェノバ、サントロペ、モンテカルロ、ベニス、カンヌその他。残念ながらアジアでは確認出来ず。

もしかしたら六本木あたりのギャラリーにはあるかもとは思ったんですが、まだなさそうですね。

Eternity Gallery
Art Angels
Contessa Gallery
Belair Fine Art
Fred Segal
Samuel Lynne
Black Contemporary Gallery
Kapopoulos Fine Arts
Galerie S16
Lilac Gallery
ZK Gallery

価格


ほとんどの作品がオープン価格となっており、詳しくは分かりかねますが…表示のあるものを見る限りおそらく80万円〜320万円($7,500〜30,000)程度でしょう。*6

ただ、同じギャラリーの作品で室内インテリアとして3点で3億8,000万($3,500,000)の表示も出ていたので、もしかしたら大きいものはそのくらいの値段になるのもしれません。

イベント装飾費は謎ですが、このパーティーに使われたお金は1090万円〜1億円(estimated to cost between $100,000 and $1 million)なのでまあ結構したんでしょう。


私は「アートが好きだ」と公言するものの、自分のもっと勉強したいジャンルも自分自身よく分かっておらず、また今後アートとビジネスと繋げていくのにどう向き合っていけばいいか、最近しばらく考えていました。

美術を専門に勉強したわけでもなく、美術業界にいた訳でもありませんので美術を語るのもどうかなと思ったのですが、

とりあえずもう少し自分の好きなことにフォーカスしてしばらく色々手探りで勉強してみようと思います。

参考・引用

*1、*2 https://www.millergallery.com/exhibitions/2018/5/17/stephen-wilsonpunk-me-tender

*3 https://www.larchmontbuzz.com/larchmont-village-people/street-art-larchmont/

*4 https://www.artangels.net/art/punk-me-tender

*5 https://gamp.ameblo.jp/moira25/entry-12616112619.html

*6 https://www.artsy.net/artist/punk-me-tender-1

*7 https://www.cheatsheet.com/entertainment/kylie-jenner-spends-millions-each-year-on-birthday-celebrations.html/

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