止まらない!塔本シスコ展

用賀駅を降りてしばらく歩き、マクドナルド、木曽路、レクサスを越えた場所にある世田谷区砧公園、そのさらに奥に世田谷美術館はありました。

今回の目的は「塔本シスコ」の作品。美術手帖か何かの記事を読んで一度見てみたかった彼女の作品をようやく実際に見ることが出来ました。

一緒に行ったのは、見ている間も鑑賞が終わってもずっと楽しい長年の友人、シロクマ。その作風、ボリューム、展示方法など色んな意味で圧倒された今回の展覧会は、気心の知れた友人と行くのがベストチョイスだと思います。

ワクチン接種後のあまり体調が優れない中だったのですが、今回の展示を見て大きく3つの驚きがありました。その生い立ち~画家への転身、画風、それから塔本シスコたる人物のパーソナリティーについて。

今回は写真もたくさんありますので色々まとめつつ振り返ってみます。


1、サンフランシスコに憬れた養父

入ってすぐのシスコさん人形に圧倒されつつ入ると、まず目に入る色彩豊かな割と大型の作品たち。所せましとならぶアートの隙間にそれぞれエピソードが記されておりその中にございましたのは、シスコの名前の由来。

最初芸名だと思っていたその名前は本名で、名付け親・養父がサンフランシスコに憬れ、その夢を託してシスコとなったんだとか。いくらなんでもそりゃないわと言いたくなるネーミングセンスですが、そこがまた独特の世界観というかそういうものを醸し出しているのは間違いないと言えましょう。

何ともユニークで自由。彼女の場合はアーティストへのなり方もユニークで、脳溢血のリハビリの為に作品を作めたことが始まりでした。その後独学で自宅の居間で1500点を超える作品を制作したのでした。それも50歳から。

唯一無二とはまさにこのことです。


2、一目見て思い出すルソーとゴーギャン

特徴としてはその鮮やかで大胆な色彩。加えて全体的に穏やかな雰囲気ながら、いかにも素朴派らしいワイルドな人物描写。

そこで思い出すのは冒頭の2名。まずは同じ素朴派の画家・税関史ルソー。日本ではヘタウマとも呼ばれる彼の作品の特徴はとにかく独特であること。

そもそも素朴派とは下記の様に説明される作風です。

正式な美術教育を受けたことのない作家によって制作され、独学ゆえにかえって素朴さや独創性が際立つ作品をさす。 この動向は、20世紀初頭にピカソやルノアールをはじめとするパリの芸術家が、税関に勤めながら展覧会に出品していたアンリ・ルソーの絵画を評価したところから始まった。

https://artscape.jp/artword/index.php/%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%88%EF%BC%8F%E7%B4%A0%E6%9C%B4%E6%B4%BE

そしてこれが彼の作品。

私はとくに人物の顔の歪みが特徴かなと思っていて、彼女の作品も皆こんな感じの顔。良い点は生命力に溢れていること、悪い点はその歪みが人に恐怖を与えること。私の場合は後者です。

そうそう、調べてみると素朴派は世田谷美術館の得意ジャンルだったみたいです。どうりでルソーのものが売店にやたら多かったわけですね。今回のシスコさんもそういう縁だったのかなと思ったり。

https://www.setagayaartmuseum.or.jp/about/collection/naive_art/


色彩という点ではやはりゴーギャンでしょうか。特に太陽の光で作品の色彩が明るくなった時の作品に似ているなと思いました。

ただ家に帰って色々見比べてみると、色の塗り方が全く違う。今まで彼の色の塗り方に注意を払ったことはなかったのですが、彼の作品はゴッホ程とは言わないまでも、ものすごく独特なタッチ。ピサロやセザンヌから影響を受けているのだとか。http://www2s.biglobe.ne.jp/~michikun/michi14.html

そして、彼もなんと日曜画家出身。そんなところも無意識に似ていると思った理由の一つなのかもしれません。


3、とにかく描かないと気がすまない

1500に及ぶ作品には油絵の他にも彫刻、着物へのペイント、しゃもじや酒瓶へのカラーリング、雑誌の隙間への描き込みがあります。まさにこの展覧会の題名通り気が済まなかったようで、おそらく本当に描きまくっていたようです。

大味な絵かと思いきやディテールが本当に細かく、一人一人の顔や花が描き込まれているのが印象的でした。

しばしば芸術家は狂人と紙一重と言いますが、私も彼女に人智を超えた、崇高な何かがあると思います。そして何より、彼女が生きている間にその感性や才能を世間に見出されたことは彼女にとっても、もちろん観覧者としての我々にも幸福なことだと思いました。



そうそう、今回の美術館ファッションはユニクロのmame kurokouchiトップスにフェンディのフリップでした。mameは夏に買って、秋に入ったので気候的にはちょうどよかったのですけど、袖口が広すぎてとにかく着にくかったです。

そして久しぶりにスキニ―を履いて脚の太さにぎょっとしました。美しい芸術を観るために美しい自分になろうと思います…


今回はここまで。

まだほかにも色々見てきた展覧会の写真が溜まっているのでブログにまとめようと思います。

今週はワクチン2回目の接種があるので少し心配です。でもその分少し時間も出来そうなのでその間に色々やらなきゃいけなかったことも出来そう。

ではAu revoir!


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